昨日の続き。といっても時間は戻ってしまうんですが。
開会式当日の昼、古い町並みが残る市街北部を歩いていたら、こんな光景を目撃してしまいました。
場所は鼓楼と鐘楼という2つの楼閣に挟まれた観光バス用の駐車場。最近よく流れているこのCMの撮影地です。
そこが人民解放軍によって閉鎖され、中央には砲台(?)を積んだトラックが1台……。
ま、まさか地対空ミサイル!?
と思ったら後でわかったんですが、あの“足跡花火”の打ち上げ台だったのでした。テレビ中継ではCG合成だったわけですが、一部報道をよく読むとわかる通り、実際に市内各所で打ち上げられていたのです。
トラックにもよく見ると「特型焔火」と表示されています。焔火とは花火のことです。
証拠写真。午後8時8分、天安門前にて。
しかし開会式にはいろいろとイチャモンがついていますが、中国人の価値観を考えると「まあ“演出”は当然だろう」と僕は思います。それ自体は別に肯定も否定もしませんが、ただひとつ思うのは「どうせ“演出”をするのなら、最後まで種明かしをしなければいいのに」ということです。
種明かしといえば「最終聖火ランナーを事前に知っていたのは数人だけ」というニュースを見ましたが、嘘です。
中央電視台では開会式の中継の後、最終聖火ランナー・李寧氏による“空中走行”の種明かしを放送していました。
「果たして横向きで走る必要があるのか?」と疑問を呈するIOC役員に「有!」と主張する張芸謀監督。大リーグ矯正ギプスのようなものを装着して、重力に逆らう特訓を重ねる李寧氏。もちろん鳥の巣での練習風景もばっちり取材。地上の張芸謀監督と走っている李寧氏が無線でやりとりしているんですが、その会話はまるでスポ根ドラマです。終わって地上に降りてきた李寧氏の第一声は「椅子をくれ!」。
(注:内容は中国語の字幕からの勝手な推測)
ちなみに鳥の巣での練習時には、フィールドやスタンドで大勢のスタッフが何かの作業をしていました。つまりそのスタッフと中央電視台のかなりの人たちは最終聖火ランナーが誰で、どうやって点火するのかを知っていたわけです。
しかしながらあの練習風景を見ると、よくやったなぁと感心してしまいます。IOC役員が「果たして横向きで走る必要があるのか?」と疑問を呈するのもうなづけます。