2014年4月29日火曜日

世界は白と黒でできている

今日は打合せの後、西麻布のギャラリーE&Mへ。すぐ近くに事務所がある大学の大先輩・長濱治さんの写真展「Around the America」を開催中で、大先輩にも久々にご挨拶することができました。



■EOS 5D MarkIII+SIGMA50mmF1.4DG

ある時、長濱さんが友人のデザイナーに「捨てるネガがこれくらいあるんだよ」と両手を広げたら、それを預けてほしいと言われたそうです。その捨てるはずだったネガから拾われたのが今回の展示作品。すべて長濱さんのライフワークであるアメリカで撮影したものです。

長濱さん「俺だったら絶対こんなセレクトしないし、自分でも初めてプリントを見たのがいっぱいあるんだよ。でも見に来てくれた知り合いは、みんな俺らしい、俺の匂いがするって言うんだよな」
僕「ええ、この写真なんか、めちゃめちゃ長濱さんの匂いがします」
長濱さん「おお、これはバイクでここのハイウェイを走りながら撮ってんだよ。露出は前もって合わせておくんだけどさ、走ってるうちに絞りが動いちゃうんだよな。それでネガが真っ黒でさ…」

これから撮ろうとしているテーマも「デジタルでもいいんだけどよぉ。事務所にワイドローライがあるから、ストロボ一発焚いてモノクロで撮るのもいいかなって思うんだ。どうだ、おもしろそうだろ?」。70歳を過ぎても写真少年の大先輩でした。なかなか真似はできませんが、自分もこんなおじさんになりたいものです。

展示は5/17(土)までです。

2014年4月27日日曜日

TOKYO TRAM

今日は仕事先が我が家と同様、都電沿線だったので、珍しく都電で移動。だって1時間近く延々乗っても165円なんだぜ! …地下鉄とJRを使えば30分くらいで行けるんですけどね。



■EOS 5D MarkIII+SIGMA50mmF1.4DG

ちなみに都電って電車では移動しにくい場所を結んでいるので、そこそこ混んでいます。今日は地元住民に混じって、外国人観光客の姿もちらほら。オリンピックを機に都心でも復活させたらいいんじゃないかと思うんですけどね。都バスの代わりに運行すれば便利な気もしますが。

2014年4月26日土曜日

写真の中では…

世間は今日からGWだそうで。僕も例年のごとくGolden Week…ならぬGuillaume Week(ギョームウィーク)です。休みになってもたまっている仕事を片付けるだけなので、結局いつも通り。出版社などはふつうに動いていますしね。

というわけで書かなきゃいけない原稿を書きつつ、早川町の写真集にもそろそろ着手しないといけないので、現像からあがったままのネガを次々にスキャン。東京はすっかりポカポカ陽気ですが、スキャナが読み出してくれる画像は桜満開、春爛漫でした。

デジタルに慣れてしまうと、フィルムの撮ってから確認するまでの時間差が、なんともゆるやかで心地いいんですよね。まあ慌ただしい仕事じゃないから、そんな悠長なことを言えるわけですが。


■HASSELBLAD 500C/M+CF80mmF2.8, FUJICOLOR PRO160NS

2014年4月25日金曜日

新しいシグマ50mm

今日シグマから新しい50mmF1.4が発売されました。CP+でサンプルをお見せするため、2月はじめに試作品をちょっとだけお借りしたのですが「これ、早く発売してくれないかな…」とこの日を待ちわびていました。

というわけでシカノの標準レンズコレクションに新しい1本が加わりました。僕は仕事じゃなければ標準レンズが1本あればいいので、自然と50mm相当のレンズが増えていますが、これは文句なく即戦力です。



■EOS 5D MarkIII+SIGMA50mmF1.4DG

シグマの旧50mmF1.4も持っていて、あれもいいレンズです。でも新しい方がキレ味は鋭くて、一方でボケ味はマイルドで、何より立体感があって…あくまで主観ですけどね。そもそも新旧では値段が全然違うので、いいのは当たり前かもしれませんが。

普段使っているEF50mmF1.2Lと比べると、クセがなくて使いやすいという印象。でもあのじゃじゃ馬さがEF50mmF1.2Lの魅力なので、しばらくは目的と気分で併用となりそうです。

絞り開放で使うときの印象を水にたとえると、EF50mmF1.2Lはヨーロッパの硬水で、新しいシグマは日本の湧き水、古いシグマは…高性能な浄水器の水、かな。ちょっとわかりにくいですが。

2014年4月24日木曜日

世界の味

今日は午後から大事な打合せ。たぶん1時間くらいで終わるし、朝飯いっぱい食べちゃったから、終わったら昼飯にしよう…と思っていたら。打合せは5時間かかり、終わったらディナーのお時間でした。

そんなときは雑居ビルの地下にあるカウンターだけのお寿司屋さんで、親方おまかせの握りをつまみたいところですけどね。あいにくそんな気の利いたお寿司屋さんは近くになく、気の利いたうどん屋さんに行きました。オバマさんには寿司もいいけど、日本の麺類も食していただきたいところです。そして安倍さんに「ほら、我々は小麦をこんなに消費してるんだから、ちょっと言うこと聞いてくださいよ」と交渉してほしいところです。今日のうどん屋さんは国産小麦を使っているようですが。


■OLYMPUS OM-D E-M10+M.ZUIKO25mmF1.8

帰る途中で見つけた中華料理屋さん。子供の頃「中国四千年の味」というフレーズをよく聞きましたが、30年ほどで1000年もアップデートされていたとは…。たしかに向こうでは「中国五千年」という言葉をよく聞くのですが、ついに日本でも1000年増えてしまったようです。そして1000年分の味の違いは、如何程なのでしょうか。

2014年4月21日月曜日

撮れたり撮れなかったり

今日は七面山敬慎院の内陣修復作業の撮影。といっても山の上に登るわけではなく、身延町にある表具屋さんへ。約230年前のものという表具を撮り、さらにたまった煤を落とす様子も撮りましたが…230年分の煤はなかなかガンコ。しかもガンコだからといって洗剤でゴシゴシ洗うわけにもいかず。

でも表具屋さんが丁寧に洗っていくと、煤けた表具からどんどん絵が浮かび上がってきました。完全に動画向きの被写体でしたが、そういう場面こそ燃えるんですよ。燃えるのと撮れる撮れないは別問題なのが難しいところですけど。



■EOS 5D MarkIII+TAMRON24-70mmF2.8VC

作業は昼過ぎからだったので、その前に七面山のお膝元・赤沢宿をちょっと散策。

先週は地元の方々のFacebookで一面に桜が咲く様子をずいぶん見たのですが、僕は何度もそばを通りながらまったく撮らず…。赤沢宿に桜というイメージがなかったので、完全にノーマークでした。

今日はもうほとんど葉桜で、濡れた石畳に散った花びらが…。来年は撮り逃さないようにしないと。

2014年4月19日土曜日

レンズを新しくすると…

20日恒例の宣伝タイム。今月は20日が日曜なので、今日19日がカメラ雑誌の一斉発売日です。

今月は「CAPA5月号」でもうすぐ発売されるタムロン16-300mmのレビューを、「デジキャパ!5月号」で“カメラのキホン まるわかりドリル”というのを担当しております。

しかし16-300mmはお世辞抜きでいいです。前モデルの18-270mmをずっと使ってきましたが、ズームが両側に伸びて画質もよくなって最短撮影距離も短くなっているんだから、買い換えない理由がありません。でもこれを買い換えると今使っているEOS 7Dも買い換えたくなるという罠が。

と思ったけど、7Dってもうすぐ発売から5年経つのに、いまだ現行なんですよね。買い換えようにも買い換えられない、ある意味すばらしいカメラ。でもいい加減新しくしてほしいよ。



■EOS M+EF-M18-55mmF3.5-5.6IS

最近は7Dより、同じセンサーのEOS Mの出番が多めですが。小さいんだもん。

2014年4月16日水曜日

夏?

今日は暖かかったので自転車で外回り。いや、暖かいというより暑かったですね。一昨日の奈良田はまだ桜もつぼみすらなく、フリースにジャケットでちょうどいいくらいだったので、寒暖の差で調子を崩しそうです。って調子を崩してるのはいつもか。


■EOS M+EF-M18-55mmF3.5-5.6IS

2014年4月15日火曜日

森の番人

昨日は早起きしていつもの早川町…のはずだったんですが、早起きする自信がないので午前2時に出発。早く着いて現地で仮眠。そして朝早くから早川町森林組合の職人さん2名と、町でもっとも奥の秘境・奈良田へ。山の急斜面を登って(結構怖かった…)間伐の様子を丸一日撮らせていただきました。


■EOS 5D MarkIII+EF40mmF2.8STM

機材はいろいろ持っていったものの、結局使ったのはハッセルブラッド+80mm、5D3+40mmという、フィルム・デジタルともに“ほぼ標準”の組み合わせ。人物をじっくり狙うには標準レンズ1本が楽しいですね。

一緒に山へ行った職人さんは、お二人とも町内で僕の撮影姿を見掛けたことがあるそうで、いろいろ逆取材を受けました。カメラマンという職業は世間から見ると謎だらけなんでしょうな。もっとも僕は僕で、木を切るプロセスに興味津々でした。他人の仕事っておもしろいですね。

2014年4月13日日曜日

春の別れ

昨日は七面山敬慎院で「遷仏式」がありました。御本尊であり秘仏でもある七面さまを祀っている本殿内陣を修復するため、厨子から七面さまを出し、手前に設けた仮厨子にお移しするのです。

内陣は本殿が230年前に再建されたときのままで、すっかり煤けてしまっています。そこで再建当時の極彩色に塗り直そうという大事業で、敬慎院の“身内”にあたる身延山大学と、地元の身延町や早川町の職人さんが2年間にわたって取り組みます。そこで木曜に登って、一昨日は修復前の内陣を、そして昨日は遷仏式を撮ってまいりました。

僕もこれまで七面さまはぼんやりと見える姿を離れて拝むだけで、秘仏なので写真に撮ったこともありませんでしたが、今回遷仏という貴重な機会を間近で撮らせていただけたのは身が引き締まる思いでした。そしてこれから2年間、身延山五重塔の復元を撮ったときのように、敬慎院や身延山大学に通いながら一部始終を撮ってまいります。もちろん最終的には何らかのかたちで発表するつもりです。

しかし2年後には早川町の写真集も決まっているし、その早川町にある七面山のこの企画も始まったし、ますます中央道を行ったり来たりの生活になりそうで…。



■EOS 5D MarkIII+SIGMA24-105mmF4 DG


七面山を下りた後は、早川町内で桜を撮影。あちこちの桜がちょうど見頃、しかも土曜だというのに、お花見をしている人はゼロ。そりゃそうだ、日本一人口の少ない町だから。だからこそ撮れるものもあるんですけどね。


そして今日は僕の2冊の写真集『甦る五重塔 身延山久遠寺』『感應の霊峰 七面山』の企画と編集をしてくださった元・山と渓谷社の偉い人、現・出版プロデューサーの藤田順三さんの告別式へ。

訃報の電話を受けたのが木曜の朝。七面山へ向かっている最中でした。藤田さんとは日中文化交流のプロジェクトで知り合ったのですが、『甦る五重塔』の写真展をキヤノンギャラリーで開いたとき、見に来てくれてつぶやいた一言が「これ写真集にしないの?」。実はそれまで作品と企画書を持って出版社を十数社回っていたのですが、どこも返事は芳しくありませんでした。

そのことを藤田さんに話すと「これを本にしないのはもったいないよ。俺に預けてくれない?」。そして半年後には平凡社から出版が決まり、初めての写真集となりました。七面山の企画も真っ先に藤田さんへ相談。トントン拍子で話が進んだ…のは、出版そのものの話だけ。編集に関しては僕と藤田さんの意見が真っ二つ。最後は使う紙の種類で大モメ。でも懐の深い藤田さんは「作者のセンセーがそう言うんだったら、仕方ねえなぁ~」と僕の主張を認め…いま思えば何とも失礼だったような、いい経験だったような。

そして昨年は早川町から「町制60周年の記念に、町を写真で残してもらえませんか?」というお話をいただき、藤田さんと写真集の企画書を作成。藤田さんといえばその世界では名の知れた山と川のオーソリティーなので、まさに山と川が生活の中心にある早川町の企画は、過去2冊にも増して乗り気でした。しかし12月の町議会で企画が承認され、さあこれから…というときに入院され、2月に病院へ打合せに伺ったのが僕は最後の面会となりました。

藤田さんはおっちょこちょいで「もう参ったよぉ~」が口癖だったので、暖かくなった頃には退院して、「もう参ったよぉ~」と言いながら入院中に溜まった仕事に追われる姿を想像していたのですが…。きっと今頃天国で「もう参ったよぉ~」とこぼしているんでしょうな。赤いチャンチャンコ着たばかりだし。

まあ残された僕もわりと参っていますが、いい写真集を作るのが何よりの供養なので、明日も午前3時起きで早川町へ行ってまいります。明日は森の中で、木挽の方々を撮らせていただきます。

2014年4月8日火曜日

最後の桜

今日は久しぶりに屋外で撮影。機材を背負って自転車でかなりの距離を移動したら、すっかり疲れてしまいました。でもこの時期チャリンコで走るのは気持ちいいですな。

桜もだいぶ散っていましたが、まだ残っているところには残っており…。



■GR

これ、RAW+JPEGで撮っていたんだけど、いまデータを開いたら縦横比が4:3。GRは本来3:2なのですが、どこかで設定をいじっていたようです。つまり左右が少し欠けた状態。でもRAWで撮ってるからね…と思ってRAWを開いたら、やはり4:3。

そのへんのことが説明書には細かく書かれていないので、最初にいじったとき3:2と4:3の撮影可能枚数を比較したのですが…。あのときは同じだったので、GRのRAWは最大解像度で記録するもの、と思い込んでいたのですが…。っていうか再び確かめてみましたが、3:2も4:3も1:1も一緒。なぜ?

しばらくお借りしていたGR、実は明日返却で、でも気に入ったので買っちゃおうかな…と思ったんですが。うーん、なんだかな。

2014年4月4日金曜日

このままがいいのに

今日はサービスセンターやら、フィルムの現像出しやら、知り合いの写真展やらで外回り。…なんて書くと楽な仕事でいいですねと言われそうですが、それだけにキツい仕事も待っているのですよ。


■EOS 5D MarkIII+SIGMA24-105mmF4 DG

銀座の松坂屋がすっかり跡形もなくなり、代わりに鉄のオブジェ? ここに東京五輪のビーチバレー会場でも作れば、おもしろいんじゃないかと思いますけどね。銀座通りからも見えるという…ふつうに商業ビルができるみたいですが。

2014年4月2日水曜日

早川→身延山

昨日は朝5時過ぎにうちを出発して、いつもの山梨県早川町へ。消費税が8%になって初めての支払いは首都高の通行料。ETCの車載器から流れる「リョウキンハ、キュウヒャク、サンジュウエン、デス」の声に、これがエイプリルフールであることを期待しましたが、たぶんそんな粋なことはないでしょうな。

そんな昨日の目的は町役場の撮影。昭和32年築の庁舎はなんとも味があり、初めて中に入ったときは一瞬で「これは撮りたい!」と思いました。さらに来年度を目処に建て替えも決まって、役場の方からも「ぜひ記録に残してください」というご提案が。そこで新年度で職員の方々が揃っているタイミングを狙って、撮影に伺った次第です。

その後は早川町内の桜スポットを回ったのですが、どこもまだまだの状態。そこで山を越えた向こう側の身延山へ。こちらはちょうど見頃。2月の大雪であちこちの枝が折れてしまっていたのが残念ですが、増税で沈んだ気分を少し和らげてくれました。



■EOS 5D MarkIII+SIGMA24-105mmF4 DG