2011年4月23日土曜日

報道写真って

今日は銀座某所にて、先日ニコンサロンで写真展「ガンガー巡礼」をやっていた石川武志さんに遭遇。「そうそう、今日はおもしろいもの持ってるんだヨ~」と石川さんがカバンから取り出した一冊のファイルには……なんと石川さんがユージン・スミスの助手時代に撮ったスナップ。


ユージン・スミスの名前を知らない人でも、このページの写真は見たことがあるはず。そんな巨匠が水俣の自宅で、ランニングシャツ姿でプリントを焼いていたり、魚を焼いていたり、焼いた魚をつまみに酒を飲んでいたり、酒を飲んでプリントが散らばった部屋で寝ていたり……。さらにユージン・スミスが石川さんのカメラで撮った“石川青年”の写真もありました。


水俣病の取材でユージン・スミスが3年ほど現地へ住んでいたのは知っていましたが、実際こんなふうに暮らしていたのか……と貴重なスナップから改めて認識。このスナップだけでひとつの写真展ができそうですねぇ……と石川さんに話したら「ま、いろいろ考えてんだヨ~」と笑っておられました。


しかしひとつのテーマのために、海外から来て3年も住み込んで撮るなんて、現代ではちょっと考えられない話。今は交通手段や通信手段、さらにはメディアなどが発達して、写真家も次から次に新しい出来事を追いかけています。それはそれでいい面もあるけど、津波や原発もすぐに過去の記憶になっちゃうんですかね……なんて話を石川さんとしましたとさ。



銀座で用事を済ませた後は、買い物のためアキバへ。時間もあったし涼しかったので、中央通りを1時間ほど歩きました。
もちろん中央通りは暗いわけですが、数年後にはこれが当たり前になって、「そういえば昔は明るかったよね」などというようになるんですかね。


 


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■GXR+A12/28mm