2016年5月14日土曜日

先人の知恵

今日は夜中のうちに東京を出て早川町へ。夏に出す写真集にぜひ載せてほしい、と町議の恒さんに言われていたものを撮りに行きました。それは恒さん曰く「田んぼのせぎ」で、今日の今日まで僕はそれを田植えだと思っていたんですが、「せぎ」とは「堰」、すなわち取水だったわけです。

でもこれが驚きの連続。早川の端を重機で堰き止めて、江戸時代に手掘りでできたというトンネルに水を通し、山の向こう側の農地へ水を送ります。広大な農地では隅々まで水が回り、その水が最後は再び早川に戻ります。早川がいい具合に蛇行している場所とはいえ、重機もGPSもない時代によくこんな水路を作ったなと。昔は台風が来るたびに村人総出で堰を作り直していたそうですが。


■a7II+Vario-Tessar T*FE24-70mmF4ZA

写真の鉄の扉の向こうに手掘りのトンネル(2本あるうちの長い方)がありますが、水を流したらコウモリが飛び出してきました。毎年の「せぎ」のお約束だそうな。