今日は休日と休日の中日。暦の色にほとんど関係のない生活をしておるシカノですが、こういう日は仕事の電話やメールがじゃんじゃん来ます。
その電話の中で、ある方が「ところでブログのタイトルの写真変わりましたね。中国にもあんなにおしゃれなビルがあるんですね」と。
昨晩変えたばかりなのに……チェック早過ぎ。
ただ残念でした。中国ではありません。2006年にワールドカップの取材でドイツに行ったときのものです。日本×ブラジル戦の前日、空き時間にドルトムントの町を散歩していたときに撮りました。
そういえば僕もお手伝いした今月発売の『デジタルカメラマガジン』の付録が「デジタル、私のとっておきの一枚。」という内容で、まあいろいろな写真家の方が「デジタルは使えるじゃん!」と思った1枚を紹介しているわけですが。
僕もタイトルのこの1枚……というわけではないんですが、このときの1か月以上にわたるドイツ取材が本格的にデジタルへ移行するきっかけになりました。
取材で撮影した写真は毎日東京へ送信し、それがクライアントのウェブにアップされていきます。なので当然デジタルで撮らなきゃいけないわけで、EOSのデジタル一式を持っていきました。すでに仕事ではデジタルばかりだったので、それ自体はとくに問題も違和感もなかったんですが。
1か月以上ドイツの各地に行き、まあまあ自由時間もありそうだということで「好きな写真を撮る用」にライカのM6TTLに35mmと21mmを持っていきました。フィルムはたしかモノクロのISO100と400を20本ずつくらい。
で、空き時間やオフの日はライカ片手に町をブラブラしたわけですが……なにせドイツはW杯一色。仕事に使えるカットが撮れるかもしれないので、常にEOSも持ち歩いていました。
その結果、多くシャッターを切ったのはライカではなくEOSの方。一応自分の中ではなんとなく使い分けのルールがあって、風景的なものは色を残したいのでデジタル、人物のスナップなどは空気感を残したいのでライカということになっていたんですが……まあ帰国して整理すると結構曖昧でした(笑)。
でもなぜかライカで撮ったもので「これはデジタル(=カラー)で撮っておけばよかったな」と思うカットはあっても、デジタルで撮ったもので「これはライカ(=モノクロ)で撮っておけばよかったな」と思うカットはありませんでした。そのへんの理由は考えるとキリがないんですが。
というわけでそれまで自分の作品はほとんどモノクロのフィルムで撮っていましたが、デジタルでもいいじゃん……と思うようになり、今日に至っているわけです。
ただデジタルがここまで発達せず(あるいは自分がフィルムにこだわっていて)北京をモノクロで撮っていたらどうなっていたかなあ、もしかしたらもっといい写真が撮れたのかなあ……と思うこともあります。行くたびに「ローライフレックス1台で撮り歩いたら、それはそれでおもしろいだろうなあ」とも。
まあ実際には今更フィルムに戻る勇気も理由もないんですが。でも今度は気が向いたときモノクロモードで撮ってみてもいいかなと少し考えています。
ドルトムントの市場にて■ライカM6TTL+ズミルックス35mm
……まあこれはフィルムでよかったのかな。