写真集の印刷立ち会い・後半戦。遅くまでかかりながらも無事終わり、すべて刷り終わりました。印刷工場のオペレーターさんがとてもすばらしい仕事をしてくださったおかげで、120%納得のいく仕上がりになりました。
ところで昨日ちらっとハイテクで刷っていると書きましたが、今日印刷会社の担当営業さんに恐る恐る「写真撮ってもいいですか……?」と聞いたところ……
「あれですか? 別にいいですけど……」。
えっ! いいんですかっ!
というわけでハイテク装置を公開!!
■OLYMPUS PEN E-P1+M.ZUIKO 17mm/TOYPHOTO
これが何だかわかった人は活字の鬼です。そう、本物の活字です。
上はずらーっと並んだ棚。これでもほんの一部。ここからオペレーターが原稿片手に1文字ずつ活字を拾っていきます。下の写真は文庫本の活版。棚から拾った活字を木枠に1文字ずつはめこんでいます。
というわけで僕の写真集は活版で刷っている……わけはありません。かつては自社オリジナルの活字を使い、現在はその書体をデジタルフォント化しているという印刷会社だけあって、工場の一角には誇らしげにこれらが展示されていました。
僕が写真を撮っていると、担当営業さんがこれを実際に使っていたベテランの社員さんをわざわざ呼んできてくれました。元活版職人の社員さんは「行間は木の板で調整するんですよ」とか「Q数変更なんて今じゃ一発だけど、この頃は全部やり直しでねぇ……」など、いろいろテクニックや苦労話を聞かせてくださいました。
実は僕も小学校の社会科見学で新聞社に行き、このような活字による製版作業を見ました。お土産に1人1文字ずつ活字をもらった記憶があります。25年くらい前ですが、その頃はまだ活字だったんですね。手で1文字ずつ拾って組んでいくなんて、ある意味今じゃ想像できないハイテクです。
ハイテクといえばこの人も……。
昨年7月の写真展に来てくださった際、僕に「これ写真集にしようよ」と提案。それを本当に実現しちゃった敏腕プロデューサー、日本出版ネットワークのフジタ社長です。
フジタ社長は何をしているのかというと、刷り上がったばかりの紙を実際の寸法にカッターで裁断。それをホチキスで器用に平綴じにして、仕上がりの見本をつくっているのです。“フジタ製本所”の出来は本物さながら……といいたいのですが、実際には本物の製本所でハードカバーに仕上げられます。出来上がりは再来週のお楽しみ……。