昨日今日にかけて身延山の別院がある七面山に登っていました。七面山は標高2000m近い山で、その山頂近くの1700m付近に別院の敬慎院があります。鎌倉時代創建の霊験あらたかな寺院として、また写真家には富士山の御来光スポットとして知られています。カメラが好きだった僕の亡きじいさんも菩提寺の御前様と登り、御来光を撮っていたようです。
じいさんは何回登ったのか知りませんが、僕は2年前に続いて2回目。目的はいよいよAmazonでも取扱が始まった写真集のヒット祈願……といいたいところですが、敬慎院の118代目の別当さん(いわゆるご住職)が昨日で3年の任期を終え、今日から119代目の新しい別当さんが就任しました。
その新しい別当さん、そして一緒に就任する新しい執事さん(いわゆる副住職)ともに、これまで身延山でいろいろとお世話になってきた方。そのお二方から直々に「3月31日の別当交替式を撮りにきませんか?」とお誘いを受け、それは撮りに行かねば……というわけで機材一式を背負って馳せ参じた次第です。
七面山には今や日本の山では絶滅寸前の合力さん(いわゆるシェルパ)がいます。その合力さんの先導により、新しい別当さんや執事さん、さらにお付きの若いお坊さんや檀家さん、ご家族などが30人ほどの集団で登っていきます。
僕は撮影のために時折走って先回り。別当さんはしきりに「シカノさんすみませんねぇ」と恐縮されていましたが、撮影に夢中のときは走っても疲れないもの。ただ移動のために歩く方が精神的に過酷です。
2年前に登ったときは雨の中、途中で足が1センチも動かなくなり、登山口から敬慎院まで8時間近くかかってしまいましたが、今回は天気にも恵まれ、新しい別当さんや執事さんたちとともに予定通りの約5時間で登れました。というか天気に恵まれ過ぎて、必要以上に防寒対策をしてきてしまった僕は、暑くて仕方ありませんでしたが……。
なお七面山登山は1泊2日が基本。健脚なら日帰りも不可能ではないですが、宿坊でもある敬慎院に一泊し、朝勤に出て御来光を拝むのがふつうです。
というわけで今朝は僕もちゃんと4時に起きました。といっても敬慎院名物の「大部屋に長ーーーい布団で雑魚寝」だったので、どんなに朝が弱くても否応なしに起こされるんですけどね。
ちなみに今朝の天気は雨。御来光どころか富士山すら見えませんでした。でもこの2日間、数々のすばらしい光景を撮ることができ、登ってよかった今回の七面山でした。誘ってくださった別当さんと執事さんに感謝です。
……というわけで、塔の次に撮るのは山?