2012年3月3日土曜日

新しい5Dが出て思うこと

今日午後4時頃の我がTwitterより……


@ShikanoTakashi
コダックがポジフィルムの製造中止を発表した翌日、初代=価格破壊・2代目=HD撮影と、カメラに革命を起こしてきた5Dの3代目が発表というのはなんともいえない…。なんともいえないので、無言で買い物ができるヨドバシ.comで早速3代目を予約しました。



というわけで今日はキヤノンから3年ちょっとぶり、3代目の5DとなるEOS 5D MarkIIIが発表され、まんまと(?)予約してしまいました。まあネットでさんざん情報が流れていたので驚きも感動もなかったですし、今日のいいともを見ていた頃までは「出てもすぐには買わねーよ」と思っていたのですが……。


別に急に物欲がわいたわけではないし、何か気になる機能があるわけでもないし(しいていえばCFとSDのダブルスロットくらい)、とくに必要な撮影があるわけでもありません。
でも今使っているMarkIIをこのまま使ったとして、MarkIVが出るまで持つとは思えないし、7Dと併用しているとやっぱり古く感じる部分もあるし、そんなわけでどうせ買うなら早い方がいいかなと。まあMarkIVが出るまで月1万円でこれが使えると思えば、仕事の道具としては妥当な買い物かなと。「これ」といっても、MarkIIを予約したときもそうだったように、まだ現物を見ても触ってもいないわけですが……。



プロの写真家というと新しいカメラを次々に買い替えると思われがちですが、実際にはいろいろで、僕の周囲にはまだ初代5Dで仕事をしている人もちらほらいます。ウェブや雑誌の仕事なら1000万画素あればまず困らないし、真っ暗な場所で真っ暗なまま撮影することはまずないので、ISOも1600あれば十分(僕はお寺の仕事をしているので、ISO3200や6400もときどき必要になりますが……)。古いカメラを使っているから仕事がなくなったり、新しいカメラ買ったから仕事が増えるということもありません。いや完全にないとはいえないけど。


でもまあ道具を使う仕事である以上、道具はなるべくいいものを使いたいし、それでわずかでも仕事の質が上がったり、何かをアシストしてくれるなら、ケチっちゃいけないのかなと思うわけです。
かといって何百万円もしたら、ホイッとは買えないわけですけれども(笑)。



思えば僕が「甦る五重塔 身延山久遠寺」という写真展写真集を実現できたのも、最新のデジタル一眼レフのおかげでした。
ちょうど塔の復元が始まった頃にEOS-1D MarkIIIが発売され、僕も清水から飛び降りる覚悟というか、ほぼ飛び降りました。世間的には評判の芳しくなかったカメラですが、防塵防滴のボディと、何よりISO3200という当時としては驚異的な高感度に助けられました。
そして五重塔が完成した頃に5D MarkIIが発売され、完成後の様子を緻密に撮影することができました。というわけで写真集の前半はほとんどがEOS-1D MarkIII、後半は5D MarkIIで撮影されています。もしあの写真をフィルムで撮影していたら、感材費でプリウスどころかベンツが買えるくらいのお金がふっとんでます。っていうか自分がふっとんだな。そう思うとデジタル様々です。


5D MarkIIはその後も度重なる中国取材や、5月の写真展のテーマである七面山、そして日々の仕事で頑張ってくれました。というか5D MarkIIIが来るまでの1か月弱は頑張ってもらいます。今月もいろいろあるしね。
その後は予備機かな。こんなボロボロじゃ売っても二束三文だし、まあいろいろな場面をともにしてきた戦友ですからね。


というわけで新しい戦友とどんな作品や仕事を撮っていけるのかが、カメラそのものよりも楽しみだったりします。カメラの進化に負けないように、そして「カメラがいいから撮れたんだ」と言われないように、自分も進化しないとね。


 



120302_7577■EOS 5D MarkII+EF24-105mmF4L IS