2012年8月29日水曜日

ああ鉄の塊

今朝、宅急便で待っていた荷物が到着。

中身は……前々から欲しいと思っていたハッセルブラッド(通称ハッセル)です。


そんなの知らん、という方にご説明しますと、スウェーデン製のカメラです。スウェーデンは良質な鉄の産地で、その鉄を使って生まれたのが車のボルボ、そしてハッセルなのです。


その丈夫さとシンプルさゆえ、ちょっと前まではカメラマンが仕事で使う定番のカメラでした。アポロの宇宙飛行士たちが撮った「FULL MOON」という月の写真集を僕も持っていますが、その撮影に使われたのもハッセル。いまも月面には降り立った宇宙飛行士の人数と同じ、12台のハッセルが残っているとかいないとか。




120828_7879■OLYMPUS OM-D+M.ZUIKO 45mmF1.8

シリアルナンバーによると、カメラ(500C/M)は僕よりちょっと若い76年生まれ。「LENS MADE IN WEST GERMANY」と刻まれたカールツァイス製の標準レンズは、ベルリンの壁が崩壊する前年の88年生まれでした。

これをどこで買ったのかといえば、友人からなのですが、その友人が数年前買った時点で美品だったのに、ほとんど使わなかったようで。とても36歳のカメラとは思えぬ美しさで、スウェーデンのデザインと鉄のボディに惚れ惚れしてしまいます。

といってもコレクションで買ったわけではなく、あくまで実用品。先日コダックがフィルム事業を売却というニュースが流れたりと、フィルムを使っていく環境はどんどん厳しくなるばかり。このままだと10年先、フィルムを買ったり現像するのはかなり大変になる可能性があります。
ならば使えるうちに使っておきたい、そしてライカ、ローライと“カメラ御三家”の2つはさんざん使ってきたので、最後のフィルムカメラはやはりハッセルだろう……という想いがずっとありました。

いや、想いだけはあるんです。でもこれで何を撮ろうとか、どこへ持っていこうとか、そういうアイデアはまだありません。昨日までは旅に持っていきたいと思っていましたが、実際に手にすると案外身近を撮るのがいいのかも……。

……つまりそれだけ重たいってことです(笑)。上の写真を撮ったOM-Dが、ハッセルをいじった後では「あれ無重力?」と思うくらい軽く感じます。まあ無重力ならハッセルもOM-Dも重さはほとんど変わらないわけですが。