2016年11月30日水曜日

愛しのマミヤ

いよいよ明日から小伝馬町・アイアイエーギャラリーで「駄カメラ3rd写真展」が始まります。48人の写真家が前期後期に分かれていますが、僕は明日から11日までの前期です。

前に書いた通り、この写真展は全員3000円以下の中古カメラで撮影するのが条件。カメラ選びも含めてセンスや思想が問われるわけですが、僕は約70年前に作られたマミヤ6 IVで撮影しました。

マミヤ6は1940年から約20年作られたロングセラーですが、1989年に同じコンセプトとフォーマットの「ニューマミヤ6」が発売されました。19歳の浪人時代、なけなしの貯金でその新品を買い、大学時代は課題や作品、およそ年数百本をそれだけで撮っていました。

サービスセンターの人も驚く酷使ぶりで、一時は予備2台も併用していましたが、2003年の初めての個展、そして今年の早川町の写真展&写真集もそのマミヤで撮っています。早川町は当初スウェーデン製のハッセルブラッドを使っていましたが、程なくしてマミヤも併用するようになり、後半はむしろマミヤばかり使っていました。慣れているのか、はたまたフィーリングが合っているのか、僕にとってもっとも思いのままに撮れるカメラです。

そんな人生の半分以上をともにしてきた愛機だけに、いつか“ご先祖さま”も使いたいと思いつつ、あえて買う理由もないまま中古店でもあまり見かけなくなっていました。そんな折にこの企画へ誘われ、使うカメラを探していたら今回使った“ご先祖さま”に出会った次第。持病のレンズ白濁により税込2000円で売られていましたが、車用のガラス研磨剤(400円也)で1時間磨くとクリアに。もちろん写りは“ニュー”のように絞り開放からキレキレではありませんが、味と優しさが感じられます。どんな作品かは、ぜひ会場でご覧ください。グループ展なので基本的に在廊はしていませんが、僕もときどき行って飲んでいると思います。あ、そうそう今回の会場にはビールサーバーがあるそうです。1杯おいくらかは聞いていませんが、12月は写真展で酒が飲めるぞ…だそうです。


■MAMIYA6 IV, FUJICOLOR PRO160NS

写真は“ご先祖さま”で撮影した東大寺二月堂。迷った末の没カットです。没の理由は、よく写り過ぎたから。

2016年11月29日火曜日

いい肉の日

東京も紅葉のピークだけど、寒さがもはや冬のような気がするのは、やっぱり気のせいなのでしょうか。それとも脂肪のせいなのでしょうか…。


■EOS M5+EF-M22mmF2

2016年11月27日日曜日

第4回修行走

4回目となる身延山七面山修行走が終わりました。

今回は雪の影響で中止の可能性もありましたが、鹿野撮影のポスターでは文字通りひと肌脱いでくれた(っていうか自分から脱いじゃったw)身延山武井坊・小松祐嗣上人をはじめ、運営の皆さんの奮闘で今日を迎えることができました。

長く険しいはずのコースは身延山を登る片道に変更されましたが、504名と多くの選手が参加。ファインダー越しに見える選手たちは、ただひたすら目の前の坂道と戦い、年の一度のお祭りを楽しんでいるように見えました。身延山と七面山をライフワークにしてきた身としては誇らしくもあり、来年以降の修行走が楽しみでなりません。


■EOS-1D X MarkII+EF16-35mmF4L IS

そして個人的には、前座・菩提梯バーティカルレースで無様な姿をお見せできたのもいい思い出。登るごとに苦しくて視界が狭くなる中、声援だけを頼りに104m・287段を登り切ることができました。大会アドバイザーの石川弘樹さんからも「鹿野さんが本当に走るとは思いませんでした(笑)。来年もお願いします」とのお言葉をいただいたので、修行を積んで来年も参加します。昔のように4分を切ってみせますぜ。

2016年11月26日土曜日

菩提梯バーティカル!

いよいよ明日は身延山七面山修行走ですが、先日の雪でコースが大幅に短縮。でも年に一度のお祭りにそんなの関係なし!と前日から多くの選手が集まっています。僕も昼過ぎに着き、前座の菩提梯バーティカルレースに参加。今年が初めての試みですが、高低差104m287段、ノーマルヒルのスキージャンプ台とほぼ同じ高さと角度の石段を一気に駆け上がります。

7年前、身延山五重塔の復元工事を撮っていた頃は、機材を背負いつつ重たい安全靴を履いて3分台で登っていたのですが。結果は537秒、50人中49位。4分くらいはいけるだろうと思っていましたが、走らず飲んでばかりの体ではこれが限界でした。


a7II+Vario-Tessar T*FE24-70mmF4ZA


でもスタート地点では地元の人たちや常連の選手たちが「オイ鹿野さん正気か?」「もう這ってるぞ」と爆笑していたそうで、笑いを提供できて何よりです。来年は体を作って、ちゃんとレースに参加しますぜ。その前に明日は例年のごとく写真係。身延山直登のきついスプリントレースですが、選手の皆さん頑張ってください!

2016年11月25日金曜日

DCM48

写真展が終わったばかりですがまた写真展を。といっても今回は1人1点のグループ展。12/1(木)~11(日)にアイアイエーギャラリーで行われる「駄カメラ3rd写真展」の前半戦に、DCM48(駄カメラ48)のメンバーとして出展します。

これは3000円以下の中古カメラで撮影するのが条件という、撮影以上にカメラ探しが大変な写真展。しかもDCM48は錚々たる顔ぶれ。僕はほぼ研究生のような身分ですが、1940年代後半に作られたマミヤ6IV前期型(2000円のジャンク品を自己修理)で、先日奈良で撮った作品を出展します。

というわけで今日ギャラリーへプリントを預けてまいりました。先日の写真展と同じくアワガミの竹和紙を使いましたが、なかなかいい感じです。内容は見てのお楽しみ。

アイアイエーの後は、すぐ近くの写真企画室ホトリへ。16日から行われているきょんさんこと川野恭子さんの写真展「When an apple fell, the god died」へ。きょんさんの代名詞といえば“ゆるかわ”ですが、ゆるいようでゆるくなくて、でもどこか母の優しさを感じる作品でした。写真はきょんさんと、ホトリのsaorinさん。女性ファンの多いきょんさんですが、男性にもおすすめの写真展です。12/2(金)まで。


■D750+Ai-Nikkor50mmF1.8S

2016年11月24日木曜日

雪とロバート・フランク

久しぶりに何も予定がない一日。雪が降る中、東京芸術大学で行われている…というか行われていた「Robert Frank:Books and Films, 1947‒2016 in Tokyo」へ。どうしても見たかった世界巡回展の東京版に、なんとか最終日で間に合いました。

話題になっていた新聞紙云々は僕にはどうでもいいのですが、とにかくロバート・フランクの写真と、シュタイデルの写真集にやられっぱなしでした。これを自分の写真展の前に見ていたら凹んでいたのは確実(笑)。終わったこのタイミングでちょうどよかった。いろいろ刺激になりました。

また写真集が作りたいなぁ。っていうかシュタイデルと作りたい。夢のまた夢ですが、夢を見るのは勝手ですからね。


■a7II+Vario-Tessar T*FE24-70mmF4ZA

2016年11月23日水曜日

酉の市

今年の一の酉は写真展会期中で、飲んでいてうっかり忘れ…。そして今日の二の酉もうっかり忘れて飲んでいたのですが、帰り道にFBを見て思い出し。もっともその記事は花園神社の見世物小屋についてだったのですが(笑)。

日付が変わる5分前に、近所の浅草鷲神社に到着。いつもの熊手屋さんに行くと、すでに店じまいの準備中で「いつもより豪華な熊手しか残っていないけど、値段はそのままでいいよ」とのこと。残り物には福がありました。来年も商売繁盛でありますよう。


■a7II+Vario-Tessar T*FE24-70mmF4ZA

2016年11月22日火曜日

写真展最終日…の翌日

新宿ニコンサロンでの写真展「山梨県早川町 日本一小さな写真館」が昨日無事終わりました。お越しいただいた皆さま、お越しいただけなかったけれどご声援いただいた皆さま、そして撮影に関してご協力いただいた早川町の皆さまに心から感謝申し上げます。

2週間無休という会期でしたが、始めから終わりまでの計108時間30分、ずっと在廊することができました(どれだけ暇なのかと思われそうですが…笑)。いろいろな方に会えますし、食わなきゃいけないので営業活動もしたいですし、写真集を売るためにも在廊する必要があったわけですが、それ以上に「この写真を人がどう見るのか知りたい」というのが皆勤賞を目指した一番の目的でした。それは今までの写真展と同じなんですが…。

今回は予想通りだった部分もあるし、予想通りではない部分もありました。写真を見て泣く人もいるだろうな…とは少し想定していましたが、少しどころではありませんでした。ちょっとしたハプニングもありました。
写真が動画にとって変わられつつあるとか、誰でもきれいな写真が撮れるようになって写真家が必要とされなくなっているとか、いろいろ厳しいこともいわれますが、まだまだ写真は捨てたもんじゃないなと。
感想や質問では「よくここまで入り込んで撮れましたね」あるいは「自分も撮ってみたいけど撮れない」的なことがもっとも多かったのですが、僕自身は当たり前のことしかしていないつもりです。ただ根気や体力や覚悟はちょっと…いや、だいぶ必要だったかも。とても高名なドキュメンタリー写真家の方が「こんな作品は20年ぶりくらいに見た」とおっしゃっていて、うれしい反面、他にいないのか?と残念な気持ちになりました。
ともあれ、そんなことを自分自身で確認できただけでも大きな収穫でした。

なるつもりはなかったのになりゆきで写真屋になって10年。理不尽なことや自分の実力不足、さらにいえば早川町でさまざまな生き様に触れたこともあり、早川町の写真集と写真展が終わったら、写真は趣味に戻して転職しようとも考えました。これ以上の作品はもう無理だろうという気持ちもありました。
ただ今回の写真展はやりたいことをやりすぎてしまい、成功した部分もありましたが、失敗した部分もありました。今までの中でもっとも手応えがあり、一方でもっとも悔しさもある写真展でした。課題も見えたし、新しい目標もできました。早川町に関しても「もっと写真が見たい」という声をたくさんいただき、まだまだ撮りたい気持ちも生まれました。


■D750+Ai-Nikkor50mmF1.8S

というわけで今日も外回りの合間に街角を撮影。見慣れた銀座がやたら明るく感じたけれど、よく考えたらこの2週間は陽の光に当たることがほとんどありませんでした。変なたとえですが、死んで生まれ変わったつもりでイチから頑張りたいと思います。

2016年11月20日日曜日

写真展13日目

写真展13日目。天気のいい日曜日とあって、始まりから終わりまで人・人・人…。

そして今日は未来の巨匠が来てくれました。愛用のニコンのカメラを首から提げ、胸にはカメラの刺繍が入ったシャツという完璧な出で立ち。


■D750+Ai-Nikkor50mmF1.8S

まだ4歳ながら、写真界では知る人ぞ知る有名人です。親の七光りともいえますが(笑)。彼は何かに取り憑かれたかのように僕を撮りまくっていました。どんな傑作が撮れているのでしょうか。

写真展もいよいよあと1日。最終日の21日は15時までです。ご注意ください&お待ちしております!

2016年11月19日土曜日

写真展12日目

写真展12日目。土曜とあって多くの方にお越しいただきましたが、一方で呆れてモノも言えない出来事が。モノが言えない代わりにその場でTwitterにつぶやきましたが。

「@ShikanoTakashi: 大学か専門生風の女子、入ってくるなりぶっきらぼうに「写真撮っていいですか」。何用ですか?と聞き返しても「写真ですけど」。こっちは目的を聞いてるんだけどさ。会場の様子ならいいですよ、と言うとスマホで一枚撮って、作品も見ず、挨拶もなしに去っていったけど、あれでレポート書けるのかねぇ。」

撮ったら作品も見るだろうと思ったからOKしたけど、見ずに済ませるために撮るんだったら「ニコンサロンは撮影禁止です」って断りましたよ(原則はそうだし)。
僕も教育者の端くれなので言いますけど、あんな大莫迦者、もし自分の教え子だったら引きずってでも作者へ謝りに行かせますわ。礼に始まり礼に終わるのが写真だと思うんですけどねぇ。いやはや。

そんなことはさておき、閉廊後はふらっと神楽坂の余白へ。平凡社OBのマスターが僕の写真集をプッシュしてくださっていますが、こうやって酒の肴にしていただけると本当うれしいですよ。


■D750+Ai-Nikkor50mmF1.8S

写真展はいよいよ明日明後日でおしまいです。よろしくどうぞ。

2016年11月18日金曜日

写真展11日目

写真展11日目。今朝2週間ぶりに体重を測ったら、さんざん飲み歩いているにもかかわらず3.5kgも減っていました。写真展も結果にコミットするようです。

今日はあるカメラメーカーの方と「最近はメーカー系ギャラリーだと在廊しない作者が多くて本当にもったいない!」という話で意見が一致。いろいろな方が向こうからやってきて、作品を見てくれて、さらに話しかけてくれることなんてそうそうないですよ。

しかも今回はショールームもある場所なので、カメラのことを聞いてくる方が多いかと思いきや、話しかけられる内容のほとんどは早川に関することや、スナップの撮り方に関すること、今後何を撮るのかといったこと。おかげでこちらも張り合いがあるし、参考にもなります。というわけで人気のある作品も自然と明確に。



1位は写真の「獅子舞とおばあちゃん」。これはもう圧倒的です。2位は「タバコ屋さんの犬」。実はちょっと凡庸かな…と思い、設営当日の朝までスペア扱いでした。うちを出る直前に額の中身を入れ替えて大正解。同率2位は「駐在さん一家」で、これは予想通りかな。あとは「農家のランチ女子会」「熊と猟師さん」「ひとりぼっちの成人式」「リノベーションした古民家」、あとDMの「茶葉農家のおじいさん」あたりが“いいね!”的感想をいただくことが多いですね。

写真展もいよいよ残り3日。明日明後日の土日は10:30~18:30、最終日の月曜は15時までです。よろしくお願いいたします。

2016年11月17日木曜日

写真展10日目

写真展10日目。寝落ち早起きの規則正しいけれど、あまり健康的ではない生活が定着してまいりました。

寝落ちする理由のひとつが、連日の「反省会」。初日から昨日まで毎晩飲みっぱなし…。いろいろな方と話せて収穫も多かったですが、うっすら死兆星も見えてきたので今晩は禁酒。明日は忘年会もあるし…ってもうそんな時期か。


写真は初日の夜の新宿駅にて。僕の股ぐら越しに顔を出している川名さんが送ってくれました。通りすがりの人にシャッターを押してもらった気がしますが、まさかこんな絵ヅラだったとは。ひどい。ひどすぎる。

名誉のために付け加えておきますと、川名さんは昔はキヤノンでとても偉かった人です。それが第二の人生ではこの有り様…。いや川名さんは偉かった頃もこうだったか。←これ褒め言葉ですからね。

2016年11月16日水曜日

写真展9日目

写真展9日目。本来は芸術総合高校で授業の日でしたが、写真展につき有休をお願いしたところ…。逆に生徒がこちらへやってきて、新宿ニコンサロンが3年映像芸術科の教室に早変わり。いつも生徒の作品を褒めたり斬ったりする身としては、なんともやりにくい授業ですが(笑)。でもちょっとでも刺激や参考になってくれたらよいかなと。


■D750+TAMRON28mmF2.5

2016年11月15日火曜日

写真展8日目

写真展8日目。今朝はフーテンの寅さん…のような旅人がふらっと現れました。首から提げたがま口がかっこよかったけど、中身はSDカードか、はたまた白い恋人か。というわけで寅さんの正体は東川町国際写真フェスティバルの縁の下の力持ち・浅野久男さん。現時点でもっとも遠くから来たお客様です。


■D750+Ai-Nikkor50mmF1.8S

そして今日はもっともご無沙汰だったお客様も。ガキの頃を知っている、というかガキの頃しか知らない仲間と飲む再会の酒は、また格別のうまさであり。

2016年11月14日月曜日

写真展7日目

写真展7日目の中日。月曜でお客さんは少なめでしたが、濃いというかなんというか、いい出会いや再会の多い一日でした。

今年3月に芸術総合高校を卒業した元教え子もペアできてくれました。クラスの中でもとくに僕の言うことを聞かなかった2人なので、思わず先生モードに戻って懐かしい気分。課題だとかでいろいろ話を聞かれましたが、通っているのは写真専門学校なのに、写真を撮らずに帰って大丈夫なのか?


■D750+Ai-Nikkor50mmF1.8S

そして今日は隣のギャラリー(ニコンサロンbis)が展示変え。今日まではミャンマーの写真展で、僕の展示を指して「これはミャンマーのどこですか?」と聞いてくる方もいらっしゃいましたが、明日からは兵庫の御崎という小さな村の写真展。素敵なモノクロプリントでしたが、対象が似ているのでますます混同されそうな…(笑)。

2016年11月13日日曜日

写真展6日目

写真展6日目。日曜日は午前中はどうしちゃったの?というくらい静か。そして午後は違う意味でどうしちゃったの?というくらいの混み具合でした。

しかし初日以来、決まって最後のお客さん、あるいはそれに類する方(ってなんじゃそりゃ)と反省会に繰り出すのが習わしになり…。今日も夕方、友人A氏と友人Bさんが別々に来訪。お互い顔見知りということもあり、3人で飲もうということに。閉廊まで時間があるので2人で先にやっててよ…と頼んだら、「ここに入ったよ」とメールで送ってきた店は、昨日飲んだ店でした。なお明日・明後日・明々後日はすでに予約済です。こんな勢いで22日以降の仕事も入ってくるといいんだけど、遠慮されているのかまったく依頼は来ないなぁ…(笑)。


■D750+Ai-Nikkor50mmF1.8S

2016年11月12日土曜日

写真展5日目

写真展5日目。初めての週末。昨日までも来客の多さにてんやわんやでしたが、今日はその倍くらいだったような…。

そして16時から写真集をディレクションしてくれた三村漢くんとの90分一本勝負なトークショー。ついスライドを多く作り過ぎてしまったのと、やたらと漢くんに振ってしまい、自分が話すつもりだったことは3割くらいしか話せませんでした。すみません。

でも今日の漢くんの話、対談相手の僕も非常に参考になりました。彼とはずいぶん長く仕事をしていますが、それゆえに会話なしで通じてしまう部分もあり、「ああ、そう考えてこの結果になったのか」という発見の連続でした。

会場にいると「自分もスナップを撮っていますが、どうもこんな風にうまく撮れなくて…」という方が結構いらっしゃいます。作品を拝見していないので断言はできませんが、たぶんそれは撮影の技術や機材のせいではなく、撮る前、あるいは撮っているときに完成形が見えていない(つまり漠然と撮っている)のではないかと思います。技術が拙くても、ゴールが見えていればシュートまで持ち込み、得点できる可能性はあります。逆にゴールが見えていないと、どんなにテクニックがあっても自軍から出られません。

じゃあゴールはどうすれば見えるの?というところで、今日の漢くんの話がとても役に立つと思います。聞けた方はとてもラッキーだったんじゃないかな。


■D750+Ai-Nikkor50mmF1.8S

お越しいただいた皆さま、そして漢くん、ありがとうございました。

2016年11月11日金曜日

写真展4日目

写真展4日目。見知らぬ男性が「鹿野さんですか?」。誰かと思ったら「藤田順三の兄です」。僕の1冊目2冊目の写真集の編集をしてくださり、3冊目=今展示をしている『日本一小さな町の写真館』の制作途中で亡くなった藤田さんのお兄さんでした。「弟の最後の仕事と聞いて伺いました」とのことで、いやはや至極恐縮であります。

夜はなんとなく神楽坂の余白へ。メニューを見ていたら、そんな藤田さんがいつも箱買いをしていた栗焼酎・ダバダ火振が。藤田さんの事務所で打合せをすると、午後5時以降はこれがお茶代わりに出されるのが常でした。昨日の青酎に負けず劣らずの風味。たまらんなぁ。


■iPhone6s Plus

そして隣にいた青年に「今写真展をやっているんです」と自己紹介をしたら「あ、今日赤城耕一さんのTwitterで見ました」。世の中狭いなぁ。

明日は16:00~17:30にはギャラリー隣のセミナールームで、写真集の装丁をしてくれた三村漢さんを招いてトークショーを行います。撮影や写真集制作の裏話をできれば。40名くらいはお座りいただけますが、満席の場合は立ち見になりますのでご了承ください。

2016年11月10日木曜日

写真展3日目

写真展3日目。今日も千客万来。最後のお客さんが、僕があちこちで勝手に宣伝をしている青ヶ島屋に行ってみたい、というのでご案内しました。

昨年、早川町で僕を取材してくれた読売新聞の記者さんに「日本一小さな町の次は、日本一小さな村(東京都青ヶ島村)を撮ってみたい」と話したら、以前取材したことがあるという青ヶ島屋を案内してくれました。新宿ニコンサロンのすぐ近くにあり、幻の焼酎といわれる青ヶ島村の名物・青酎を全種類コンプリート。さらに青ヶ島や八丈島の新鮮な魚もいただけます。主人は村長さんの息子だそうです。

その主人から「うちの実家も旅館だけど、島の料理を満喫したいなら叔母の旅館がおすすめ」と聞き、今年2月に青ヶ島へ向かったのでした。助言はまさにその通り。そして主人の弟さんが港で毎日釣りをしていて、その魚が旅館や青ヶ島屋で供されていたのでした。


■D750+Ai-Nikkor50mmF1.8S

早川町の写真集がひと段落したらまた青ヶ島へ行こう…と思っていたものの、ひと段落したら写真展の波にのまれて今日に至っています。次はもうちょっと暖かい時期に行きたいな。写真は明日葉のかき揚げ。明日も頑張ります。

2016年11月9日水曜日

写真展2日目

写真展2日目。聞かれることや言われることが徐々に読めてくるようになりました。予想通りなこともあるし、予想外だったこともあるけど。

予想外といえばトランプ大統領ですな。そういえば8年前のオバマ大統領誕生も、身延山から帰る途中の談合坂サービスエリアのテレビで知りました。山梨通いも長いなぁ。

そうそう、よく聞かれるのは「次のテーマはなんですか?」。まだわかりません。山梨にはまだ通うと思いますが。あと「距離感が揃ってますね」。ええ、ほとんど標準レンズなので。ってニコンの最新の一眼レフを持ったおじさんに答えたら「広角とか望遠はなくて大丈夫なんですか?」。うーん、大丈夫だからちゃんと写真展できたんだけどなぁ。さすがに広角レンズは時々使いましたけどね。そんな話を土曜のトークショーでしようかな。


■D750+Ai-Nikkor50mmF1.8S

写真は夕方16時過ぎ、ギャラリー裏の窓から我が家の方面を。D750に、たった一本だけ持ってきた古い標準レンズで。

2016年11月8日火曜日

写真展初日!

新宿ニコンサロンでの写真展初日。想定以上に多くの方々にお越しいただき、そして想定以上にうれしい感想をいただき、でもいいことばかりではなく、自分に足りないことや至らないことに気付いたり、普段の生活の1年分くらいの発見が。思えば大きなギャラリーでの写真展は4年ぶりで、懐かしさとともに忘れかけていた重要なことをたくさん思い出す一日でした。



夜は仕事関係やお世話になった方を招いてささやかなパーティーを行いましたが、急なお誘いにも関わらず多くの方々にお越しいただき、また早川町からも辻一幸町長が駆けつけてくださいました。昨日までのいろいろな心配や憂鬱がアルコールできれいさっぱり消毒され、明日から頑張れそうです。お越しいただいた皆さまにただただ感謝。

2016年11月7日月曜日

いよいよ明日から

さんざん写真展の話をしてきましたが、いよいよ明日からが本番。今日新宿ニコンサロンにて設営作業をしてまいりました。というわけで会場をチラ見せ。



今回のプリントはアワガミファクトリーさんとエプソンさんにご協力いただきました。額装の作品は竹和紙・170g/m2に、epSITEプライベートラボのSC-P9050Gでプリント。タペストリー状の作品は楮・厚口・白のロール紙に、アワガミファクトリーさんのプリント出力サービスで印刷してもらいました。

ネガフィルムで撮影しているので、銀塩プリントのトーンも捨てがたかったのですが、それが自分のイメージかというと違うよな…というところで、いろいろ試した結果の竹和紙でした。ちなみにネガは撮影したカメラと同じ、ハッセルブラッド製のフィルムスキャナー・フレックスタイトでデータ化。アナログとデジタルのいいとこどり、みたいなつもりでいますが、はてさてお客様にはどう見えますやら。

手前に写っているのはステートメント。ニコンサロンには定形フォーマットもあるんですが、重厚過ぎるので写真集の序文をそのままタペストリーにしました。スタバかどこかで5分くらいで書いた文章だけど、ちょっと気に入ってます。
というわけで明日から21日(月)まで2週間、休みなしで10時半から18時半(最終日だけ15時)までやっておりますので、新宿へお越しの際はぜひお立ち寄りください。12日(土)16時~17時半のトークショーも…あ、こないだも書いたけどくれぐれも手ぶらでお願いします。来ていただけるだけで十分ですので。

2016年11月6日日曜日

一等賞!

今日は先週に続いてつくばへ。僕が審査した茨城県高文連・写真部門の表彰式&講評会でした。1~2年生から来年度の全国大会へ行く作品が8点、全体から今年度の関東大会へ行く作品が20点。全国行きは1位から8位まで順位もつけたので、1位の生徒さんにはとんでもなく大きな賞状とともに、副賞として写真集「日本一小さな町の写真館」を差し上げました。


というわけで壇上からマイクを持ちながら片手で撮ったらブレブレでした。カメラはちゃんと両手で構えましょう(汗)。でも熱心に写真をやっているようで、写真集とても喜んでくれました。よかったよかった。全国大会でも頑張ってください。

2016年11月5日土曜日

本日はお日柄もよく

写真展の準備もまだ途中ですが、今日は一旦手を止めて早川町へ。ギリギリまで粘って撮影…というわけではなく、日本上流文化圏研究所の鹿島健利さんと佐藤春日さんの結婚式でした。

今回の写真展&写真集「日本一小さな町の写真館」で、撮影にあたり町の情報を調べてくれたり、撮影の交渉をしたり、逆に町民から撮影のリクエストを受け付けてくれたのがこの2人。とくに佐藤さんは歴代の担当者の中でもっとも長く、そしてもっとも多く僕のわがままに対応してくれました。そんな佐藤さんは僕と正反対な気遣い屋さんなので「写真展の準備で大変なときにお呼びするのも…」と遠慮していましたが、これは行かないわけにいかず、いち参加者として列席した次第です。

2人の新居は秘境早川町でもとりわけ秘境な奈良田ですが、会場は集落からみてダム湖を挟んだ対岸の公園。列席者はダム湖にかかる吊り橋を歩いて渡り、そして新郎新婦も吊り橋を渡って登場しました。町内で結婚式が行われるのは超超超久しぶりとあって、NHKや地元紙も取材に来る中、町民の皆さんが多数集結。おじさんたちは開始早々からでき上がっていて、ああ昔の田舎の結婚式ってこうだったんだなと。


■a7II+Vario-Tessar T*FE24-70mmF4ZA

長丁場の式は早川ならではの出し物や料理がてんこ盛りで、最後はみんなで輪になって奈良田おどり。新郎が手本を見せてくれるのは想定内だけど、新婦がウェディングドレスで三味線を弾くのは想定外でした。健利さん春日さん、末永くお幸せに! そしてお願いだから幸せを分けて!(笑)

2016年11月3日木曜日

在庫ありました

いよいよ来週火曜から新宿ニコンサロンでの写真展。今回も2週間フルで在廊の予定です。というわけで芳名帳を買ったり、始まっちゃうと行けない写真展やラボを回ったり。

その途中、下北沢の路地裏で品揃えこだわりまくり系のブックカフェを発見。何の気なしにのぞいてみると…書棚に我が新刊「日本一小さな町の写真館」が! 書店で買ったという話はいろいろな方から聞いているのですが、どこの書店にも置かれるような本ではないし、最近は大型書店をのぞく余裕もなかったので、実際に売られている様子は初めて見ました。1冊目の身延山や2冊目の七面山のときもそうでしたが、これでようやく写真集を出したという実感が。なので店員さんに許可をいただいて書棚を記念撮影。


昨日AKBのまゆゆの写真集が1週間で3刷という話を聞き、たぶんまばたきか呼吸をするくらいのリズムで売れているんだと思いますが、拙著もせめてトイレへ行くくらいのペースで売れてくれれば…。平凡社の担当者さんによると、出だしは上々とのことですが。

写真集は写真展会場でももちろん販売します。すでに買ったという方は、その旨おっしゃっていただければ、もれなく保存用や旅行用、交換用もいかがですか?とおすすめさせていただきます。よろしくどうぞ。

2016年11月1日火曜日

カボチャ祭り

昨日は茨城県高文連の審査でつくばへ。県内の高校から集められた写真部員の作品から、関東大会と全国大会へ行く作品を選んできました。高校生のキラキラした写真を見過ぎたせいか、つくばエクスプレスからの夕陽がちょっと青春の色に見えたとですよ。

その後は所要で都内を回った後、渋谷へ…。



■EOS 5D MarkIII+SIGMA20mmF1.4DG

「北の国から」で、菅原文太に「誠意って何かね」と聞かれた田中邦衛が、カボチャを差し出して土下座するシーンがありました。あれって富良野流のハロウィンを描いていたのか。渋谷流はこんな感じでした。初めて生で見たけれど、日本は平和だなと。そしてカボチャは一個も見かけませんでした。誠意って何かね。