2016年11月30日水曜日

愛しのマミヤ

いよいよ明日から小伝馬町・アイアイエーギャラリーで「駄カメラ3rd写真展」が始まります。48人の写真家が前期後期に分かれていますが、僕は明日から11日までの前期です。

前に書いた通り、この写真展は全員3000円以下の中古カメラで撮影するのが条件。カメラ選びも含めてセンスや思想が問われるわけですが、僕は約70年前に作られたマミヤ6 IVで撮影しました。

マミヤ6は1940年から約20年作られたロングセラーですが、1989年に同じコンセプトとフォーマットの「ニューマミヤ6」が発売されました。19歳の浪人時代、なけなしの貯金でその新品を買い、大学時代は課題や作品、およそ年数百本をそれだけで撮っていました。

サービスセンターの人も驚く酷使ぶりで、一時は予備2台も併用していましたが、2003年の初めての個展、そして今年の早川町の写真展&写真集もそのマミヤで撮っています。早川町は当初スウェーデン製のハッセルブラッドを使っていましたが、程なくしてマミヤも併用するようになり、後半はむしろマミヤばかり使っていました。慣れているのか、はたまたフィーリングが合っているのか、僕にとってもっとも思いのままに撮れるカメラです。

そんな人生の半分以上をともにしてきた愛機だけに、いつか“ご先祖さま”も使いたいと思いつつ、あえて買う理由もないまま中古店でもあまり見かけなくなっていました。そんな折にこの企画へ誘われ、使うカメラを探していたら今回使った“ご先祖さま”に出会った次第。持病のレンズ白濁により税込2000円で売られていましたが、車用のガラス研磨剤(400円也)で1時間磨くとクリアに。もちろん写りは“ニュー”のように絞り開放からキレキレではありませんが、味と優しさが感じられます。どんな作品かは、ぜひ会場でご覧ください。グループ展なので基本的に在廊はしていませんが、僕もときどき行って飲んでいると思います。あ、そうそう今回の会場にはビールサーバーがあるそうです。1杯おいくらかは聞いていませんが、12月は写真展で酒が飲めるぞ…だそうです。


■MAMIYA6 IV, FUJICOLOR PRO160NS

写真は“ご先祖さま”で撮影した東大寺二月堂。迷った末の没カットです。没の理由は、よく写り過ぎたから。