新宿ニコンサロンでの写真展「山梨県早川町 日本一小さな写真館」が昨日無事終わりました。お越しいただいた皆さま、お越しいただけなかったけれどご声援いただいた皆さま、そして撮影に関してご協力いただいた早川町の皆さまに心から感謝申し上げます。
2週間無休という会期でしたが、始めから終わりまでの計108時間30分、ずっと在廊することができました(どれだけ暇なのかと思われそうですが…笑)。いろいろな方に会えますし、食わなきゃいけないので営業活動もしたいですし、写真集を売るためにも在廊する必要があったわけですが、それ以上に「この写真を人がどう見るのか知りたい」というのが皆勤賞を目指した一番の目的でした。それは今までの写真展と同じなんですが…。
今回は予想通りだった部分もあるし、予想通りではない部分もありました。写真を見て泣く人もいるだろうな…とは少し想定していましたが、少しどころではありませんでした。ちょっとしたハプニングもありました。
写真が動画にとって変わられつつあるとか、誰でもきれいな写真が撮れるようになって写真家が必要とされなくなっているとか、いろいろ厳しいこともいわれますが、まだまだ写真は捨てたもんじゃないなと。
感想や質問では「よくここまで入り込んで撮れましたね」あるいは「自分も撮ってみたいけど撮れない」的なことがもっとも多かったのですが、僕自身は当たり前のことしかしていないつもりです。ただ根気や体力や覚悟はちょっと…いや、だいぶ必要だったかも。とても高名なドキュメンタリー写真家の方が「こんな作品は20年ぶりくらいに見た」とおっしゃっていて、うれしい反面、他にいないのか?と残念な気持ちになりました。
ともあれ、そんなことを自分自身で確認できただけでも大きな収穫でした。
なるつもりはなかったのになりゆきで写真屋になって10年。理不尽なことや自分の実力不足、さらにいえば早川町でさまざまな生き様に触れたこともあり、早川町の写真集と写真展が終わったら、写真は趣味に戻して転職しようとも考えました。これ以上の作品はもう無理だろうという気持ちもありました。
ただ今回の写真展はやりたいことをやりすぎてしまい、成功した部分もありましたが、失敗した部分もありました。今までの中でもっとも手応えがあり、一方でもっとも悔しさもある写真展でした。課題も見えたし、新しい目標もできました。早川町に関しても「もっと写真が見たい」という声をたくさんいただき、まだまだ撮りたい気持ちも生まれました。
■D750+Ai-Nikkor50mmF1.8S
というわけで今日も外回りの合間に街角を撮影。見慣れた銀座がやたら明るく感じたけれど、よく考えたらこの2週間は陽の光に当たることがほとんどありませんでした。変なたとえですが、死んで生まれ変わったつもりでイチから頑張りたいと思います。